隣室 |
カランコロン、と軽やかな下駄の音。 西方軍には変わり者が多いというが、トップの閣下と元帥があれだもんな。 「捲廉。」 人の部屋のドアを蹴らないでほしい。 「う〜寒い。」 親父くささ全開で部屋に転がり込んでくる固まり。 本を抱え込んでちゃんちゃんこ着てる上に、猫背だからホント固まりに見えるわけ。 「何しにきたのさ?」 そんなに寒いのにわざわざ来るからには何か裏がある。 「僕の部屋暖房器具行方不明なんですもん。」 なるほどね。 「極楽極楽。」 猫みたいに伸びをして、ちゃんちゃんこ脱いだ天蓬はすっかり部屋の主人気取り。 「俺の部屋だぞ?」 ソファーを占領されたし仕方ない、ベッドに潜り込んだ。 「あれ、捲廉寝ちゃったんですか?」 お前が追い出したんだろうが。 なんかもぞもぞするから目あけたら、天蓬の野郎が潜り込んでる。 「何やってんだ、お前。」人に抱きついてくるし。 「人間湯たんぽ〜。」 日向ぼっこしてる猫みてぇな顔。 「んなことすると、しまいにゃ襲うぞ?」 ちょっと怯えた様な表情。いいね、食べたくなっちゃう。 「貴方本気ですか?」 心底呆れたって声。 「僕の部屋は角部屋な上に、二部屋続きですからいいですけどっ!」 手早くズボンの前を寛げれば、天蓬の顔色がどんどん青ざめていく。 「ちょっと!正気ですか?」 舌で耳たぶをなぞって首筋を吸い上げれば吐息が漏れる。 「隣に聞こえたらっ。」 背骨を指で撫で上げれば背が曲線を描く。 「ふぅ…。」 口元に当てられた手が最後の理性。 「お前が静かにしてれば問題なし。」 指先を脇腹から天蓬自身へとすべらせる。 「いや…。」 辛うじて紡がれた言葉は艶めいていて。 「ダメじゃないだろ?」 ゆるくつかんで擦り上げれば固く閉じた膝が離れはじめた。 もどかしい刺激の先を欲して腰が振れてる。 爪先で裏筋を撫で上げれば耐えられずむせび啼く。 「激しいのダメッ…!」 縋りつくように延ばされた両手に任せて唇を重ねる。 「んんっ…。」 体が強張ると同時に、掌に白濁が吐き出された。 「イっておいてダメとか言われてもなぁ?」 耳まで赤くなってる。 屈辱と快楽は表裏一体。 「足開け、挿れてやる。」 目を閉じて顔を背けながらも、さらなる快楽を欲して体を開く。 「よくできました。」 不満げに目を開けた瞬間に貫けば、絶叫に近い叫び。強すぎる快楽をなんとか逃そうと、しがみついた手に込められた力。 「ご褒美。」 顔に張りついた髪をかきあげてやれば元の挑戦的な顔に逆戻り。 「今のはさすがに隣に聞こえたっぽいね。」 「もう今更でしょう?」 開き直りやがった。 「そんじゃ啼いてよ、存分に。」 「なぁ天蓬。」 腕のなかでもぞもぞしてた固まりが顔をあげる。 「隣の部屋は俺の副官の部屋なんだって知ってた?」 つまり、天蓬が使っていないなら空き部屋。 「今頃言っても遅い!」 だってそのほうが燃えてくれるかと。 「てコトは隣は僕が使っていいんですか?」 うれしそうねぇ。 もうちゃんちゃんこまで着て見に行く気まんまん。 今深夜なのに。 数日ののち、西方軍内に噂が流れた。 西方軍の軍舎には座敷童が出るらしい、というもの。 そりゃ赤いちゃんちゃんこ来たものが、置場のなくなったガラクタ持って深夜に引っ越ししてたら座敷童に見えるかも。 『ARK ROYAL PARADISETEA』 水無月螺旋 様 色々なお礼とお誕生日にと螺旋様から頂戴しました!! ……マジですか!!! ( ̄∇ ̄+) キラキラキラ〜♪ 熱く萌える、そして燃える捲天戴いても良いのですか!? 『先日の件ですがやっぱり返し…』と言われないうちに既成事実を作っておきます。 オトナ文で有りながら甘くて天蓬が可愛くて捲簾がヤリ手(様々な意味で文字通り)で 大変に素敵です!! 大将に斬られても良いので是非一度天蓬を赤面させたい!! 私の攻心が刺激されまくり!! |